というわけでパトリック・ボカノウスキーの「天使」の紹介です。
あまりレンタル屋にも置いてない本作ですが、内容を一言で言うと
「アヴァンギャルド映画」いう言葉がピッタリくる感じの、かなり強烈で
トラウマな作品に仕上がっております。
悪夢のような幾つかの独立したシークエンスから構成される本作には
とくにストーリーらしいストーリーはありません。
深夜の工場のような、壊れた楽器を演奏するような、錆びた鉄の扉が閉まるような
金属をひっかくような、とにかく非常に不愉快で耳障りな音楽が流れるなか
暗い部屋の中で剣を持った男が吊るされた人形をズバズバ突き刺しまくってる
映像が続きます。
…と書いてしまうと、頭の中でギャグっぽい絵しか浮かばないと
思いますがさにあらず虐待場面のような、死刑執行のような
非常に恐ろしい絵に仕上がっております。
コンクリート打ちっぱなしの何も無い殺風景で寒々とした廃墟のような部屋の中。
人形を剣で突く男は極めて無表情で執拗に人形を突きます。
その行為に逆再生・残像・ワープその他色々な編集や効果が付加されている為
剣で突かれた人形が、この世のものとは思えないような異常で異様で不気味で
反重力的死人的な動きをしながらぶらんぶらん!ぐわーんぐわーん!!と暴れまわります。
…と言った具合で、このシークエンスだけでもとても恐ろしい映像に仕上がっております。
他にもミルクを運ぶ老婆の映像が続いたり、異常なほど爆笑しながら
真っ白い部屋で真っ白の風呂に入っておおはしゃぎしている男の映像が続いたりと
不気味で異様で魅力的なシークエンスが続きます。
後半ちょっと退屈なシーンもありますが一度は見ておいて損は無い作品です。
レンタルビデオに置いてあったらラッキーなので是非借りてみてみてください。