映画では無くて押井守のオリジナルビデオアニメ作品です。
僕は押井守作品はどちらかというと苦手な感じであまり思い入れがないです。
「うる星やつら」は昔テレビでやってたのを2−3回見ただけでしたし
「パトレイバー」は友達に誘われて見に行った覚えがありますが印象に残らず
映画を意識的に見るようになってからは「攻殻機動隊」「人狼」「イノセンス」と
色々見ましたが、どれもそれほどハマりませんでした。
(イノセンスは球体間接人形が出てたので少し好きですが)
そんな感じなので僕は決して押井守のファンでは無いのですが
ただひとつこの「御先祖様万々歳!!」だけは破壊的に大好きで
あまりにも何度も何度も繰り返し繰り返し見てるので
台詞を殆ど覚えちゃってるくらい大好きな作品なのでありました。
思い起こせば小学生(中学生?)の夏休みにBSの「夏休みアニメ劇場」で
この「御先祖様万々歳!!」の第1話がたまたま放送されていたのを、なんとなく
ぼやーっと見てたのが初見でした。
その頃は「押井守」なんて名前すら知らず最初はチャンネルをザッピングしながら
ただ「やたらと台詞が長いなー」と思いながら漠然と見てたのですが、だんだんと 「あれ?これって何か凄くない?」と興奮していき、1話のラストシーンでは
「凄い!凄い!!」と早くも完全にハマってしまい、翌日の第2話、第3話と
録画しながら見続けたにもかかわらずいよいよ最後の最終話(第6話)が
何故か「スノーマン」に差し替えられガッカリしたのを覚えております。
(何か内容的にBSのコードに触れたとかなんとか)
そんなわけで大好きなアニメなのですが、ストーリーは未来からやってきた主人公の
孫娘を名乗る少女が、平和な家庭をかき乱す…みたいな感じでそれ自体はそんなに
目新しさも無いのですが、随所に舞台劇的な演出がしてあってそこが僕の琴線に触れたようです。
基本的にアニメ全体が「舞台劇」というコンセプトなので、観客の声援や野次や
拍手が入ったり、シーンも舞台劇のように基本的に1つのシーンだけで構成され
登場人物は全員正面を向きながら舞台劇のような長台詞を演じます。
他にも歌舞伎みたいに舞台の下から押しあがってくるように人物が登場したり
逆に舞台の足元が下がっていって奈落に消えるように人物が退場したりと
わざわざアニメで制限の多い舞台劇をやるというメタなアニメなのでありました。
ただこの点でも面白いのは完全な舞台劇では無く、アニメ内現実と舞台劇が
互いに矛盾する形で交じり合っていて、部屋は舞台劇の舞台であると同時に
アニメ内での現実の部屋でもあるので、普通のマンション内の一室なのに
舞台を見る観客がいたり、登場人物が床下に退場したり、そうかと思えば
視点が変わると観客がいたはずのスペースが消えて玄関の外には現実の世界が
広がっていたりと、アニメ内現実と舞台がコロコロと矛盾しながら入れ替わる感じで
物語が進んでいく所です。
他にも話してる人物にライトが当たったり、台詞が無い人物は無言でポーズだけとってたり
舞台劇的な「早着替え」のシーンがあったり(アニメなんだから一瞬で着替えられるのは
当たり前なんですが、そこをあえて舞台劇っぽく「早着替え」をする所が面白いのです。
中でも個人的に一番好きなのは挿入歌のシーンで、ミュージカル映画みたいに登場人物達が
いきなり歌を歌いだしたりするのですが、この辺の演出もいかにも舞台劇っぽくて
大好きです。
ニコニコ動画を漁っていたら、たまたまその中でも僕が一番好きな第5話終盤の
歌のシーンを見つけたので反則かもしれませんがちょっとご紹介したいと思います。
「興信所は愛を信じない」
この歌のシーンは凄く大好きなシーンです。
この作品は曲も非常に印象的で、挿入歌が沢山あったりとか、全てEDの曲が違うとか
テレビ2chの砂嵐をモチーフにしたOPシーンとか、僕的琴線に触れる曲が多く
僕がそうなのですが押井守をあまり好きじゃ無い人ほどハマれる作品かもしれません。
(逆に押井守ファンからの声はあまり芳しく無い印象が強い作品です)
先ほどから大好き大好きしか言っていませんが、本当に面白いアニメなので
見ていない方にはぜひとも一回は見てほしい作品なのでありました。
DVDBOXがかなり高価で、レンタルビデオにもなかなか置いてない本作ですが
確実に一見の価値アリな作品なのでがんばってレンタルビデオ屋で探してみてください。
ちなみに、この「御先祖様万々歳!!」の再編集版で「麿子」という作品も
出てはおりますが、こちらは「御先祖様万々歳!!」の良い所を全部削ってしまった
ような作品なので見るのはお勧めしません。