「落下の王国」

というわけでターセムの最新作です。

前作「ザ・セル」は精神障害者の脳内に心理学者が入る込むという

「パプリカ」っぽい内容で、賛否はあるもののCGを多用した

既知外的でグロい脳内映像には一見の価値アリな映画でした。

クエイ兄弟とか、動物の輪切りの人とかアート方面からのオマージュも多く

元ネタ探しも結構楽しめます。

で、そのターセムの最新作がこの「落下の王国」。

CG使いまくりの「ザ・セル」とは180度異なり「落下の王国」は

CGを使わず(細かい所では使ってるのかもしれないけど)

「ザ・セル」とはだいぶ印象の異なる映画になっています。

撮影は世界遺産を利用して行われ、摩訶不思議な映像が続くのですが

ほとんど世界遺産で撮影されているためCG使いまくり映画につきものの

ギラギラとした嫌らしい感じがありません。

(別に「ザ・セル」が嫌らしいというわけではありませんが。むしろ好きな映画なので)

なんか落ち着いた静寂感みたいな雰囲気が終始画面内に漂っております。

この点「ザ・セル」のようなカルト的な激しい既知外的イメージの

洪水のような映画を期待してると「あれれ?」と思うかもしれません。

それを象徴するのがベートーベンの曲にあわせてスローモーションで動く

オープニングのシーンで、特に目新しい映像表現は無いのですがとても美しく

個人的にこのオープニングが、「落下の王国」で一番好きなシーンです。

とは言え「落下の王国」も落ち着いた世界遺産のシーンだけでは終わらず

後半には、まんまクエイ兄弟の「ストリートオブクロコダイル」げな

パペットアニメのシーンも登場します。やっぱりキター!って感じですね。

あまりにも「ストリートオブクロコダイル」なので、この部分だけクエイ兄弟が

作ったのかと思い調べてみたのですが、どうやらクエイ兄弟は関与はしていないようでした。

映像関係ばかりに触れてしまいましたが、簡単にストーリーを解説すると

ロイは映画のスタントマンで撮影中の事故で入院中。

同じく入院中の少女アレクサンドリアに勝手にこしらえた「物語」を語る、とこれだけの内容です。

「物語」はあくまでも少女アレクサンドリアの脳内で再生されたストーリーなので

ロイの撮影してた映画に登場する「インディアン」(ネイティブアメリカン)を「物語」に

登場させるとアレクサンドリアの物語では「インド人」に変換されて登場したりします。

そんな感じでストーリーも二重三重にメタな構造になっていて

いろんな所がつながってたり現実が物語に影響を与えたりしていて面白いです。

気になった所は、世界遺産の存在感が強すぎて、なんか終始人物がふわふわしてるような

印象があったことくらい。衣装も「ザ・セル」の方が好きかな。

ちょっと衣装が綺麗すぎて(?)どうもコスプレの衣装のようにしっくりこない

ふわふわ感を感じました。

でも良い映画ですのでレンタルで見つけたら是非一度は見てみてください。

予告(ニコニコ) 予告(ようつべ)