先日公開されたハネケ自身によるハリウッドリメイク
「ファニーゲームU.S.A.」のDVD発売に際して
長いこと廃盤となっていたハネケの元祖「ファニーゲーム」も
ついにDVDとなって発売します。
以前発売されたハネケのDVDボックスにも入ってなかったので
なかなかビデオ屋でも発見できないレア作でしたが
やっと見られるようになりますね。
とにかく救いが無く、見ていて嫌な気分にしかならない
ここまで嫌な気分になるだけの映画はそう無いだろうと思えるような
絶望的な映画で、同じくハネケの「セブンスコンチネント」が
「静の絶望」だとするなら、「ファニーゲーム」は「動の絶望」と
いった所でしょうか。
内容は不条理な暴力に巻き込まれるある家族の物語なのですが
序盤の「タマゴ分けてもらえますか?」の辺りからもうずーっと
嫌な雰囲気満点です。
映画を見てると主人公がいよいよピンチの時には毎回
当たり前のようにギリギリのタイミングで何かしらのヒーローとか
恋人とか警察が助けに来てくれ、ピンチを脱するというのが
一般的な映画の文法ですが、こういう現実にはありえない筈の
映画の文法に慣れてしまっている僕らは、「ファニーゲーム」のような
救いのない、誰も助けに来てくれない展開にとても驚き戸惑うわけです。
「え?ウソ?誰か助けに来てくれるんじゃないの?」と。
でも考えてみれば現実世界で行われる「暴力」はまさに
「ファニーゲーム」のごとく汚くえげつないものなわけです。
映画では暴力や犯罪がスタイリッシュに描かれることが多く
暴力のえげつなさや痛さをあまり感じることができませんが
現実の暴力ってのは本当は「ファニーゲーム」のように
汚くえげつないものだという当たり前の事実にようやっと
気づかされるわけです。
…という感想は半分受け売りですが、僕もその通りだと思うわけです。
なのでこの映画を見て「残酷だ!」と怒るのは筋違い。
一般的な映画ではなかなか見えてこない「暴力」のえげつなさを
これでもかこれでもかと見せ付けてくれる映画です。
というわけで是非一度は見てみてほしいです。
「ファニーゲームU.S.A.」
ハネケ自身によるハリウッドリメイクです。
内容は俳優が違うだけでほぼ全部一緒!
ストーリー、台詞は勿論、カメラワークまでほぼ一緒です。
見比べてみると面白いと思います。