フェリーニと言えば「道」や「81/2」が有名ですが、今回は「ローマ」です。

フェリーニの子供時代や青年時代、戦時中のローマ、現代のローマなどなど

さまざまな時代のローマで起こったさまざまな小さなエピソードを積み重ね

「ローマ」を重層的に描きます。

ストーリー性は薄いのですが、ひとつひとつのエピソードがとても面白く

フェリーニの映画の中では、「ローマ」が一番好きです。

個人的に好きなシーンは劇場のシーンと、教会ファッションショーのシーン。

劇場のシーンは、いかにも場末の小劇場といった感じの劇場で、芸人や素人達が

つまらない芸を披露するシーンが延々と続きます。

劇場にいる客も全然芸を見ておらずヤジを飛ばしたり芸の邪魔をしてるだけ。

まさに学級崩壊した小学校の教室のような感じで無茶苦茶です。

その中にロウソクを持って顔を白く塗った3人組みのオジサンが歌うシーンが

あるのですが、この3人の中の一番背の低いヨリ目のおじさんはフェリーニの

映画の常連さんで他の作品にも良く出ていますね。

ただ歌ってるだけのシーンなのですが、個人的に好きなシーンのひとつです。

話は変わりますが、フェリーニの映画ってヨリ目が印象的な人が結構出てきますね。

「カサノバ」でも全然脇役の女の子が、一瞬「てへッ♪」ってヨリ目をするシーンが

あるのですが、そのたった1シーンだけで、物凄い存在感を放っております。

どこにも置いてなくて僕は未見なのですが「女の都」でもこのヨリ目の女の子が

登場するらしく、同じくヨリ目を披露するそうです。

こういう本来は何でもないシーンの筈が、俳優のしぐさが神がかり的に面白いおかげで

物凄く存在感のあるシーンになってしまうっていうのは面白いですね。

予測できることではないので、アニメ等ではこういう面白さを出すのは難しいです。

もうひとつ好きなシーンが教会ファッションショーのシーン。

多分教会のファッションショー自体がフェリーニの創作なのだと思いますが

いろんな奇抜な教会衣装を着た人たちが奇妙な音楽にあわせて次々に登場するシーンが ずーっと続きます。

相変わらずストーリー性は無いのですが、このシーンもとても面白く大好きなシーンの ひとつです。

最初は平凡な修道女から始まって、羽のついた修道女、ローラースケートをはいた修道士、

自転車に乗った修道士…とどんどん変な人が登場します。

後半になって位の高い人が登場するにつれて衣装もだんだんと豪華で変になっていき

骸骨だらけの死神みたいなのとか、何かわけの分からないものがどんどん登場して

どう考えても教会のファッションショーというより、何か悪魔主義の儀式か何かの様な 様相を呈してきます。

最後はローマ法王(?)的なモノが登場するのですが、コイツがどうみてもRPGの

ラスボスにそのまま出てきそうな物凄さで、このシーンだけで一見の価値アリです。

そんな映画ですが、最近DVD化もされたのでレンタル等で見かけたら

一度は見てみてほしい作品です。