2026.09.15 / 畑と暮らし

最強雑草・葛との奮闘

最強雑草・葛との奮闘
画像をタップすると原画を大きく表示します。日付:2026-09-15。

画像内の文章

主な文章の文字起こし・抜粋。画像全体は上の原画をご覧ください。

最強雑草・葛の正体。上を刈っても、地下からまた出る!
まず刈り機で切り開く。トラクターの前に、蔓を短く切る!
結局、手でかき集めた。
機械で倒し、人間の手でほどく。葛との戦いは、刈ったあとから始まる。

note掲載本文

対応するnote記事の本文です。Instagramのキャプションとの同一性は未確認です。

今日は朝から、周防大島の畑でクズを刈っていた。クズといっても悪口ではない。漢字で書けば葛。山の斜面や耕作放棄地から伸びてきて、畑も道も石垣も、放っておけば何もかも緑色に覆ってしまう、あの蔓草である。

草刈り機で地際を払えば、見た目だけはきれいになる。しかし、その後がいけない。長い蔓が刈り残した茎や草の根元に絡みつき、熊手で集めようとしても動かない。結局、一本ずつ手で引きずり出し、絡みをほどき、山にして運ぶしかなかった。刈る時間より、集める時間のほうが長い。機械化の時代だと言われても、最後は人間が腰を曲げ、汗をかき、一本ずつ始末する。

クズという植物は、地上部を刈っただけでは終わらない。地下には太い根が残り、しばらくすると何事もなかったように新しい芽を出す。一本の蔓を追っていくと、別の蔓と絡まり、さらにその先で別の株につながっている。どこから始まり、どこまでが一株なのか、外から眺めただけでは分からない。

妙に、島の政治に似ている。

表面に出てきた問題だけを議会で刈り取り、「対応しました」「適切に処理しました」と説明する。ところが根は残っている。人間関係、地縁、後援会、事業者、補助金、役場との長年の付き合い。一本の蔓をたどると、いつの間にか別の蔓へつながり、誰が責任者なのか分からなくなる。問いただしても、「昔からそうしている」「前例に従った」「担当が違う」と、蔓の先だけがこちらの手から逃げていく。

しかも葛は、覆い隠す力が強い。放置された畑も、崩れかけた石垣も、使われなくなった小屋も、夏になれば一面の緑になる。遠目には自然が豊かで美しく見える。しかし、その下に何が埋もれているのかは分からない。島の政治も同じである。「地域のつながり」「住民との信頼」「島のため」という緑の葉が、説明されない支出や責任の所在を覆ってしまう。景色が穏やかだからといって、根まで健全だとは限らない。

草刈り機を振りながら、政治もこのくらい単純ならいいのにと思った。刃を当てれば蔓は切れる。だが現実には、

政治のクズには刃が届きにくい。

情報公開請求を出し、議事録を読み、決算書を調べ、消えた資料を探し、ようやく一本の蔓の先端が見える。それでも根の全体像までは分からない。

それでも刈るしかない。どうせまた生えてくるからと放置すれば、やがて畑そのものが消える。どうせ説明しない、どうせ変わらないと諦めれば、行政も議会も一部の人間だけの庭になる。

今日一日で、葛を根絶できたわけではない。刈ったのは地上に出ていた一部だけである。明日になれば、見落とした蔓がまた伸び始めるだろう。それでも、刈った場所には光が入り、隠れていた畑の境界が見えるようになった。

政治を監視することも、おそらく同じだ。一本刈ったところで島は変わらない。だが、刈らなければ何も見えなくなる。

夕方、腕が上がらなくなるほど疲れて、積み上げた葛の山を眺めた。畑のクズは、少なくとも刈れば目の前に山となって残る。どれだけ処理したかが分かる。その点、人間社会のクズのほうが始末が悪い。刈られたふりをして、別の名前で、別の場所から、また芽を出す。

周防大島で百姓をするということは、野菜を育てるだけではない。光を奪うものを刈り、絡みついたものをほどき、土の境界を取り戻す仕事でもある。

畑でも、政治でも。

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出典:【周防大島百姓記】クズを刈る一日――畑にも、島にも、根を張るもの20260915 ↗

当時の記録として収録しています。日付は画像内の表記です。